目次
はじめに
「経営管理ツールは導入コストが高い」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし近年、クラウドサービスの普及によって、月額1万円以下で導入できる高機能な経営管理ツールが数多く登場しています。本記事では、中小企業や個人事業主が限られた予算でも導入できる、コストパフォーマンスに優れた経営管理ツールを機能別に紹介します。
低コストでありながら業務効率化に貢献するツールを選定することで、経営リソースを本業に集中させることができます。それでは、カテゴリー別に見ていきましょう。
低コストな会計ソフト
会計業務は経営管理の基本です。クラウド型の会計ソフトは初期費用を抑えられるだけでなく、自動仕訳や銀行口座連携などの機能で業務効率化にも貢献します。
freee会計
料金: 個人事業主向けは月額980円〜、法人向けは月額2,980円〜(年払いの場合) 特徴:
- 初期費用無料、クラウド型で場所を選ばず利用可能
- 銀行口座やクレジットカードの明細を自動取得・仕訳
- 青色申告や確定申告に必要な書類を自動作成
- インボイス制度にも対応
freee会計は個人事業主向けのスタータープランが年払いなら月額980円(年額11,760円)と非常にリーズナブル。法人向けの「ひとり法人」プランも年払いなら月額2,980円(年額35,760円)で利用できるため、小規模事業者におすすめです。
マネーフォワード クラウド会計
料金: 個人事業主向けは月額900円〜、法人向けは月額2,980円〜(年払いの場合) 特徴:
- 初期費用無料、直感的な操作性
- 銀行口座やクレジットカードと連携可能
- 経費精算や請求書などの関連サービスとシームレスに連携
- スマホアプリで外出先からも利用可能
マネーフォワード クラウド会計は「パーソナルミニ」プランが最も安く、青色申告や白色申告に対応。法人向けの「スモールビジネス」プランは年額プランで月額2,980円(年額35,760円)から利用可能です。
やよいの青色申告 オンライン
料金: セルフプランは初年度無料、2年目以降は年額10,300円〜 特徴:
- 初年度無料で試せるセルフプラン
- インボイス制度・電子帳簿保存法に対応
- クラウド上で帳簿付けから確定申告まで完結
- 共同作業者2名まで無料で追加可能
やよいの青色申告オンラインは初年度無料のセルフプランがあり、2年目以降も月額換算で約858円と低コスト。弥生シリーズの使いやすさを継承しつつ、クラウド型の利便性も兼ね備えています。
ジョブカン会計
料金: 月額2,500円〜 特徴:
- クラウド型で高速な処理速度を実現
- 予算/実績管理機能でリアルタイム経営管理
- プロジェクトごとの収支管理が可能
- 勤怠管理や給与計算など他のジョブカンサービスと連携
ジョブカン会計は他のクラウド会計ソフトと比べると若干料金は高めですが、スタートアッププランなら月額2,500円から利用可能。処理速度の速さや予実管理機能の充実度を考えるとコストパフォーマンスは高いと言えます。
コスパに優れた経費管理システム
経費精算業務は多くの企業で手間がかかる作業です。月額1万円以下で導入できる経費管理システムを活用すれば、大幅な業務効率化が期待できます。
rakumoケイヒ
料金: 1ユーザーあたり月額330円〜 特徴:
- 1ユーザーあたりの料金が非常に安い
- Google WorkspaceやMicrosoft 365との連携
- スマホアプリでレシート撮影・経費申請が可能
- 承認フローの自由なカスタマイズが可能
rakumoケイヒは1ユーザーあたり月額330円という低価格が魅力。例えば30名の企業でも月額9,900円で利用できるため、コスト重視の企業に最適です。クラウドサービスとの連携にも強みがあります。
チムスピ経費
料金: 1ユーザーあたり月額300円〜 特徴:
- 業界最安クラスの料金設定
- レシート撮影で自動入力
- 承認フロー・複数通貨対応
- 会計ソフトとの連携も可能
チムスピ経費は1ユーザーあたり月額300円という低コストで利用できる経費精算システム。50名規模の企業でも月額15,000円で導入可能です。シンプルな機能に絞っていることがコスト削減につながっています。
MOT経費精算
料金: 初期費用31,500円、1ユーザーあたり月額199円〜 特徴:
- 1ユーザーあたりの月額費用が業界最安級
- OCR機能搭載でレシート読み取り
- 自動仕訳・会計連携
- Excel/PDF出力機能
MOT経費精算は初期費用がかかるものの、月額利用料は1ユーザー当たり199円と非常に安価。長期的に利用することでコストメリットが大きくなります。50名規模の企業でも月額9,950円で導入可能です。
ジョブカン経費精算
料金: 1ユーザーあたり月額400円〜 特徴:
- シンプルで使いやすい画面設計
- レシート読み取り・AI自動入力
- ジョブカン会計など他のジョブカンサービスと連携
- マルチデバイス対応
ジョブカン経費精算は1ユーザーあたり月額400円と比較的リーズナブル。25名の企業なら月額10,000円で導入できます。ジョブカンシリーズの他のサービスを利用している企業は特に連携メリットが大きいでしょう。
月額1万円以下の労務管理ツール
労務管理は人的リソースを効率よく活用するために欠かせません。勤怠管理や給与計算などを低コストで実現できるツールを紹介します。
freee勤怠管理Plus
料金: 基本料金0円、1ユーザーあたり月額330円 特徴:
- 基本料金無料で1人あたり月額330円という低コスト
- PC・スマホ・タブレットから打刻可能
- シフト管理・有給休暇管理機能
- freee会計・freee人事労務との連携
freee勤怠管理Plusは30名規模の企業でも月額9,900円で導入可能。基本料金が無料でユーザー単価も安いため、小規模企業にぴったりです。freeeの他サービスと連携することで、データ入力の手間も削減できます。
ジンジャー勤怠
料金: 1ユーザーあたり月額400円〜 特徴:
- シンプルな操作性で導入しやすい
- 多彩な勤怠ルール設定が可能
- 給与計算ソフトとの連携
- 各種労務レポート自動作成
ジンジャー勤怠は1ユーザーあたり月額400円からと低コスト。25名の企業なら月額10,000円で導入可能です。シンプルな機能でありながら、複雑な勤怠ルールにも対応できる柔軟性が特徴です。
KING OF TIME
料金: 100名まで月額10,000円(定額制) 特徴:
- 100名まで一律月額10,000円の定額制
- 複雑な勤務体系にも対応
- 60種類以上のレポート機能
- GPS・カメラ・ICカードなど多様な打刻方法
KING OF TIMEは100名以下の企業なら月額10,000円の定額制が魅力。1〜100名まで同一料金なので、社員数が多いほどユーザーあたりのコストが下がります。機能面でも充実しており、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
ジョブカン勤怠管理
料金: 月額5,980円〜(30名まで) 特徴:
- 30名まで月額5,980円のわかりやすい料金体系
- スマホ・タブレット・PCから打刻可能
- 複雑なシフト管理もカンタン
- ジョブカンの給与計算や人事労務と連携
ジョブカン勤怠管理は30名までなら月額5,980円と、中小企業にとって手頃な価格設定。操作がシンプルで導入がスムーズなうえ、複雑な勤務形態にも対応可能です。
予算管理・経営分析ツール
予算管理や経営分析は経営判断を支える重要な業務です。低コストでも充実した機能を持つツールを見ていきましょう。
DIGGLE(ディグル)
料金: 月額料金は要問い合わせ(中小企業向けプランは1万円以下の事例あり) 特徴:
- エクセルからの脱却を実現する予実管理クラウド
- 予算策定から見込管理までシステム上で完結
- 柔軟なカスタマイズ性と強力な分析機能
- リアルタイムでの経営状況把握が可能
DIGGLEは中小企業向けのエントリープランでは月額1万円以下で導入できるケースがあり、予算規模に合わせた柔軟な提案をしてくれます。エクセルの限界を感じている企業におすすめです。
YOJiTSU(ヨジツ)
料金: 月額5,000円〜 特徴:
- 月次試算表や決算書では見えない経営実態を可視化
- 過去・現在だけでなく未来の予実管理に対応
- キャッシュフロー予測も可能
- 直感的な操作性で専門知識不要
YOJiTSUはシンプルな料金体系で月額5,000円から利用可能。未来の予測まで含めた予実管理ができる点が特徴で、経営判断のスピードアップに貢献します。
bixid(ビクシッド)
料金: 月額7,800円〜 特徴:
- 使いやすく多くの業種で利用実績あり
- 予算・実績・見込を自由に並べて比較可能
- 部門別損益の作成も簡単
- エクセル出力機能で二次加工も容易
bixidは月額7,800円から利用可能なコストパフォーマンスの高い予算管理システム。操作性の良さと多様な分析機能を両立しており、導入後すぐに活用できます。
Loglass経営管理
料金: 要問い合わせ(中小企業向けプランあり) 特徴:
- 予実管理の生産性を改善するクラウドシステム
- 表計算ソフトと連携した事業部横断の予算策定
- 予算・実績・見込を自由に並べてスピーディな分析
- 会計ルールの変更にも柔軟に対応
Loglass経営管理は料金は要問い合わせですが、中小企業向けのプランも用意されており、機能を絞ったプランなら月額1万円以下で導入可能なケースもあります。
クラウドツールを組み合わせた経営管理
単体ツールだけでなく、複数のクラウドツールを組み合わせることで、さらにコストパフォーマンスを高められます。データ連携や可視化ツールも活用しましょう。
マネーフォワードクラウド連携パック
freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトは、同じブランド内の経費精算や勤怠管理などと連携パッケージを提供していることがあります。マネーフォワードの場合、会計・経費精算・勤怠のパッケージが月額7,980円(年払い)から利用可能で、個別に契約するよりもコストメリットがあります。
freee連携パック
freeeも同様に、会計・人事労務・経費精算などをパッケージ化した連携プランを提供。中小企業向けのスターターパックなら月額8,980円(年払い)から導入でき、データ連携による業務効率化とコスト削減を同時に実現できます。
ジョブカン連携プラン
ジョブカンも会計・勤怠管理・経費精算などの連携プランがあり、個別契約よりも割安な料金設定になっています。例えば会計と勤怠管理のセットなら月額8,480円から利用可能です。
低コスト導入の成功ポイント
月額1万円以下の経営管理ツールを成功させるためのポイントをご紹介します。
1. 必要な機能を明確にする
すべての機能を求めるのではなく、自社に本当に必要な機能を見極めましょう。機能を絞ることでコストダウンにつながります。例えば会計ソフトなら、仕訳の自動化や振込管理が必須なのか、経費管理との連携が必要なのかを整理しておきましょう。
2. 拡張性を考慮する
将来的な事業拡大を見据え、ユーザー数や機能の拡張が容易なツールを選びましょう。初期コストは低くても、拡張時に大幅なコスト増や移行作業が発生するとかえって非効率です。
3. 無料トライアル期間を活用する
多くのクラウドサービスは無料トライアル期間を設けています。この期間を活用して、実際の業務フローに合うかどうかを検証しましょう。操作性や他のシステムとの連携なども確認することをおすすめします。
4. データ連携の可能性をチェック
すでに導入しているシステムとのデータ連携が可能かどうかは重要なポイントです。例えば会計ソフトと経費精算システムの連携、勤怠管理と給与計算の連携などが自動化できれば、大きな業務効率化につながります。
5. サポート体制を確認する
低コストのツールでもサポート体制は重要です。導入時のサポートだけでなく、運用中の問い合わせ対応や、定期的なアップデートが行われているかなども確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、月額1万円以下で導入できる経営管理ツールを会計、経費管理、労務管理、予算管理の4つのカテゴリに分けて紹介しました。クラウドサービスの普及により、中小企業や個人事業主でも高機能な経営管理ツールを低コストで導入できる時代になっています。
ポイントは自社に本当に必要な機能を見極め、コストパフォーマンスの高いツールを選定すること。また、同一ブランド内のツールを組み合わせることで、データ連携による業務効率化も期待できます。
限られた予算内で最大限の効果を得るためには、無料トライアル期間を活用した検証や、将来的な拡張性も考慮したツール選びが重要です。コスパに優れた経営管理ツールを活用して、業務効率化と経営判断の質向上を実現しましょう。